特集 ガン対策の現状
ガン治療の動向—外科的療法から化学療法まで
高橋 淳
1
1日本大学医学部
pp.39-41
発行日 1963年11月10日
Published Date 1963/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202969
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はじめに
ガンと診断が決まった時,患者に宣告をくだすべきかどうかはひじょうにむずかしい問題であった.ところが最近では,手術なり放射線療法なりで治癒した患者自身が,ガンであったことを自覚しているケースが多くなってきた.このことはガンで治るものもあるという印象が一般に持たれるようになったためであり,ガン治療の見通しは明るいものがあるといえる.
もともとガンは"しこり"が本態であると考えられていた.従ってこの"しこり"を除去することにガン治療は始まったし,また現在でもガン治療の基本は外科的療法にあるといってもよい.
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