特集 母性保健指導のポイント
私の妊婦保健指導の経験
団地の場合
内山 芳子
1
1母子衛生研究会教育普及部
pp.29-32
発行日 1963年5月10日
Published Date 1963/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202831
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はじめに
自分の思いつくままに工夫した,団地における個人妊婦指導の体験談を書いてみたいと思います.もちろん自分自身では妊婦の保健指導をより効果的にするためグループ指導の形で開催したかったのですが,母子衛生研究会ではすでにご存知のように団地に「巡回母子保健教室」と名打って乳幼児の保健指導を主体とした催しがあり,毎月定期的に行なわれ,母子の名にふさわしく,母性の保健指導も同時と考えたのが始めでした.ですから附属的なものでしたがって1人の担当者があたり,時には乳幼児の保健指導が一段落した後,行なった場合もあります.すでに私自身病院における母親学級および保健所で行なっている母親学級ともに経験しておりますので,一昨年から昨年にかけて都内の9カ所のデパートで「ママの健康相談室」を担当し,個人的ないわゆる母性相談「妊娠ばかりでなく広範囲に)をみてまいりました.これらを生かして,団地の母性相談という形で,妊婦ばかりではなく家族計画も含めて実施しました.人手の関係また,資金の繰り合わせでできず最近ではたち消えの状態で,必要性に迫られながら実施できず,むしろ失敗談の一つになってしまいそうで,私たちの仕事はただ熱意だけでは成立たないのがうらめしいようです.日々妊婦指導にあたられる方がたが,こんな方法で実施した例もあるといったようなみかたで,ご一読いただきたいと思います.
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