特集 母性保健指導のポイント
奇形の原因と母体の健康—妊娠とウイルス性疾患を中心として
栗田 威彦
1
1国立国府台病院小児科
pp.14-17
発行日 1963年5月10日
Published Date 1963/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202827
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1.まえおき
今から21年前,オーストラリアの眼科医N. Mc. A. Gregg氏が妊婦が風疹にかかると眼の異常を主とする奇形児が生まれることを発見して以来,妊娠母体のウイルス病罹患と先天奇形との関係が世人の注目を集めるようになった.さらに数年前,ドイツで妊婦がある睡眠薬を乱用して四肢の短い多くの奇形児を生んだことが報告され,妊娠ことにその初期の種々の因子が奇形発生に重要な意義を有することが臨床的ならびに実験的に証明された.以下妊娠とウイルス性疾患を主として,ほかに先天性奇形の原因といわれる妊娠初期の母体の環境についてのべる.
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