母性保健特集講座 妊娠
奇形の原因としての胎児期障害
田淵 昭
1
,
堀川 真澄
1
,
平田 政司
1
1広島大学産婦人科教室
pp.20-23
発行日 1963年8月1日
Published Date 1963/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202587
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
母子の保健衛生は,最近特に注目され,厚生省も最近児童福祉白書を発表し,①妊産婦死亡率は高く,②死産,未熟児出産の原因となっている妊娠中毒症もなお多く,③心身障害児の発生は妊娠中毒症,母体の栄養障害によるものが多いとされ,これらに対する予防処置が特に必要であるといいまた新医薬品の発売には胎児障害を考慮して従来の基礎実験に加えて胎児におよぼす影響についての動物実験を必要とすることを決定した.
われわれも胎児を障害する各種要因についての研究ならびに調査を行なっているが,まだ発表する段階に至っていないので,ここでは産前小児科序説ともいうべき研究方向の要点を述べる.
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.