臨床研修セミナー 多胎
妊娠の管理—母体搬送
池ノ上 克
1
Tsuyomu Ikenoue
1
1鹿児島市立病院産婦人科
pp.60-63
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207931
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各地に周座期センターか設立され始め地域における医療のネットワークが急速に進行している。そのなかでも母体搬送は重要な要素であり,各種ハイリスク妊婦の搬送が活発におこなわれている。
多胎妊娠はいうまでもなく母児双方の予後に危険性を含んでおり,周産期医療センターに収容される代表的名ハイリスク妊娠の一つである。表1は昭和53年,当院に周産期医療センターを開設以来,昭和62年迄に収容した母体緊急搬送例をその要因別にあげたものである。緊急搬送の理由は母体の救命や処置を目的とした母体要因と,胎児や新生児の救命を目的とした胎児要因とに大別される。母体要因では重症化した妊娠中毒症,母体の異常出血,分娩の遷延などが主なものである。
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