特集 保健所保健婦
地区の要求にこたえる働き方をめぐって
何故忙しいのかを検討する
この問題多い職場によせて
手塚 ゆき
1
1群馬県・伊勢崎保健所
pp.33-34
発行日 1963年3月10日
Published Date 1963/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202770
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現場スタッフの悩み
公衆衛生は黄昏かという議論が数年前にさわがれました.そして今も全く必ずどの集り,どの会議に行っても「困った」,「悩んでいる」,「興味がない」という言葉を耳にします.それは保健所保健婦に多いようです.ですがみんなが何のために何ができなくで悩んでいるのかを突きつめると極めてあいまいな場合があります.極端な例をあげれば悩んでいるということをいうことによって,その人の自己満足—現在行なっている業務に決して満足しないという—の表現で終ってしまう人がおります.私達は一体何のために,何を目的として悩むのでしょうか.私はその何をはっきりさせておかねばならないと思います.簡単にいえば本当に地区の人々に信頼され利用される保健所,そして真に管内住民の健康の守り手としての役割を完全に果すことのできる保健所にするがための悩みでなければならないと思うのです.その上でそうでないもの,そうすべきもの,それに障害になるものをみんなではっきりさせ,確かめ合いそうさせるために悩むのでなければならないと思うのです.そしてみんながひとつの目的に向って行動を起こさなければ矛盾は解決されないでしょう.
現場スタッフとして一番先に解決してもらいたい中では,職場の中での民主主義の確立ということです.
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