特集 保健所保健婦
地区の要求にこたえる働き方をめぐって
何故忙しいのかを検討する
仕事を通じて問題となること—現場スタツフの悩み
上原 京子
1
1東京都・田無保健所
pp.34-36
発行日 1963年3月10日
Published Date 1963/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202771
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保健所に就職してまだ2年足らずの私には複雑な現場の問題で理解できない事が沢山あります.まず保健婦の仕事は何かということもしっかりつかめていません.保健婦活動についてはそれぞれの場でいろいろな形の活動がみられます.表面的には非常に違った活動があり,それらの中で共通する保健婦独自の分野は一体何か,また共通点がないなら今後分化していくべきではないかという疑問が起こります.ここでは,保健所に働く保健婦の仕事を地区住民の健康管理--健康増進と疾病予防のための諸活動--と大まかにとらえておきます.もちろん健康管理は保健婦だけでなくすべての医療関係者,教育関係者,行政関係者などが協力して成立つものであり,保健婦はその一端を担うものと考えます.従って,保健婦活動も保健所を中心とした地域の保健活動全体との関連で問題としなければならないのですが,私の能力以上のことですので毎日の保健婦としての仕事の中から考えをすすめていきたいと思います.
私達の保健所は東京都北多摩郡の東北部,北は埼玉県に接し東は特別区に続く1市5町を受持っています.戦後それもごく最近は東京の住宅地として都営住宅,団地,個人住宅が続々とでき,人口が急激に増えています.昨年12月の人口273,000強は昭和20年の4倍以上,35年12月からすでに2割以上増加し,将来の増加も予想されます.宅地や大工場ができてゆく中で農家もかなりあることは見のがせないことです.
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