読者からの手紙
母子衛生への協同作業を
内山 芳子
1
1財団法人母子衛生研究会教育普及部
pp.9
発行日 1962年9月10日
Published Date 1962/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202641
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私どもは「巡回母子保健教室」を,集団居住地(俗にいう団地)で開催し,育児相談にあたり,また,保健所の所外の乳児健診の保健指導・母親学級などをしております母子衛生という畑で,仕事をしている助産婦です.特に育児相談の面においては、保健婦,栄養士とグループを作りお互いに助けあつて仕事をしています.私達はもちろん看護婦,保健婦,助産婦と職種は別れておりますが,母子衛生の指導の面では特別にその差は認められず,むしろ,保健婦,助産婦の協力により,よりよい指導が行われると思つておりました.一つの育児相談から家族計画へ,家庭の食生活へと広く指導する事が真の保健指導であるのではないでしようか.しかし毎日の仕事の中でたびたび,助産婦,栄養士という言葉が保健婦と何か肌が合わず,部外者的に取扱われることがあります.従来の保健所が,保健婦中心の働きの中で指導が行われて来ているから当然と思われますが,実際この半年余の私の感じでは,やはり母子衛生に関しては欲目でしようか助産婦の必要性が感じられます.また保健婦と栄養士の指導内容ももつと両者が話合うチヤンスを持ち,お互いの知識の交換や各々の職種を理解し合つて,指導のバトンタッチを行つたらとてもよいと思います.私ども母子衛生研究会がこれまでの2年余の経験から,都内は別として,近県では限られた保健婦ではとても母子衛生まで手がまわらないように思われます.
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