読者からの手紙
幹部保健婦制度をめぐつて
内堀 千代子
1
1群馬県国保連合会
pp.9
発行日 1962年5月10日
Published Date 1962/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202561
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成案に近いという,新らしい公衆衛生従事者教育制度のうち「保健婦について」は,公衆衛生学会と公衆衛生看護学会の自由集会で説明をきき,最近では保健婦雑誌2月号の座談会記事をよみ,とくに幹部保健婦制度(特にその経過措置について)をめぐつて若い人達と話しあう機会があつた.ところがそれらの人たちの新らしい教育制度案に対するうけとり方の相違におどろくとともに,一部の人達が懸念し,反対する幹部保健婦制度について改めていろいろ考えさせられている.
市町村の主任,婦長制は保健婦のそれと比較して非常に歴史が浅い.というのは主任,婦長制をとつている所の多くは昭和29年以降の市町村合併による急激な保健婦増員(実際には集合の場合が多い)にともない生れたものだからである.これは合併によつて市町村の事務機構が改善強化され,軌道にのるとともに,保健婦の活動機構にも当然それが及び,主任,婦長の必要性がみとめられたものだからだ.いや,むしろ現状は漸くみとめられつつあるという段階なのだといつてもよいかもしれない.それだけに市町村の主任婦長制の評価は保健所ほど表面化せず,むしろ今後に課せられた問題として非常に大きいものと思われる.
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