口絵
ラオスにおける母子衛生ナース
pp.2-5
発行日 1962年2月10日
Published Date 1962/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202505
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ここに御らんに入れる写真はラオスで活躍中の英国人ナース、ミス・オルドリツジ女史の手になるものです。女史は15年前よりWHOの顧問としてラオスに駐在して、助産を含め、母子衛生事業を担当して居られます。低開発国で、迷信や奇妙な慣習の中で生活しているラオスの現地人達には、保健的思考などは遠いところの物語りのような状態です。医療機関に乏しく、我が国のような程度の医師も勿論、数える程しかなく、ナースの教育もこれから女史の手によってはじめられるというような有様です。
何しろ、今までの生活方式で何にも問題を意識しなかった現地人達を刺激し、導き、問題を認識させることは容易ではないそうです。勿論乳児死亡など高率であることは推測されますが、それだけに白紙の上に字を書くたのしみも少しはあり、女史は10年かかっても、いとわず、現地人の問題意識を高めるように指導をするつもりであること、3人家族に釣ってきた魚が4匹で1匹余れば河に戻しにゆくほと、のんびりとした彼等の気風に合せて、実際の活動も人づてに効果をひろめようという考えで、彼女は腰をおろした働らき方をしておられるようです。
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