病態生理講座
肝臓病の病態生理
亀田 治男
1
1東京大学医学部上田内科
pp.53-56
発行日 1961年7月10日
Published Date 1961/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202368
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はしがき
肝臓は生体内において数多くのはたらきを営んでおり,しかも極めて複雑な代謝過程の中心をなしているが,肝臓の障害されたときにあらわれる症状は少なくとも初期には特有なものが少ないためにしばしば見逃される.また逆に全身的な一定な症状たとえば"身体がだるい"とか"つかれやすい"とかいう状態をただちに肝臓病と直結させて,いたずらに過大の安静と治療を続けている人人もみうけられる.本文では肝臓病の病態生理つまり肝臓が病気になつた場合,肝臓のはたらき(生理機能)がどのように変化し(病態生理),それに伴つてどういう症状が起こるかを説明するわけであるが,まずその準備として肝臓のかたち(構造)と機能とについて述べてみたいと思う.
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