新看護学
肝臓疾患の病態生理(1)
阿部 正和
1
1慈恵医大杉本生理学教室
pp.68-75
発行日 1958年7月15日
Published Date 1958/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910654
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肝臓病に対する一般の関心は,最近とみに高まつてきている。ここでは,肝臓の構造,働き,それらが肝臓病のときにはどのように変化してくるか,あるいは肝臓病のときにみられるいくつかの特徴ある症状の病態生理学的意義,主要な肝臓病の発生病理などについて述べることにしよう。
肝臓は,その重さが1,000g〜1,300gぐらいの生体最大の臓器で,脳とともに最も複雑な働きを営んでいる(第1図)。肝臓の働きについての知見は,最近2,30年来長足の進歩が遂げられたが,これは肝臓内での働きの大部分が生化学的変化に基いているので,近年の生化学のめざましい進歩にともなつて明らかにされてきたわけである。肝臓の病態生理を知る上には肝臓の有する2つの重大な性質を前以つて理解しておくことが必要である。
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