特集 医療と公衆衛生
医療機関と公衆衛生活動
医療ケースワーカーの活動をとおして
河瀬 広子
1
1代々木病院社会部
pp.111-113
発行日 1965年3月10日
Published Date 1965/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203356
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昨年11月19日に政府の健康保険法大改悪計画が発表されて以来,いわゆる医療費値上げ問題はマスコミをにぎわせています.これは健康保険法はじまって以来の大改悪と言われ,国民,勤労者を医者にかかれない状態に追いこもうとするものであると言われていますが,最近のケースがこれを裏書きするものであるのはとうぜんのことと思います.
労働者の生命を無視し,利潤を追求する資本家,その下請の中小企業のもとに働く労働者の健康は極度にいためつけられ,その労働強化や職場の環境が原因になって起こる病気が増加しています.従ってこれらの病気を未然に防ぐ医学的予防も,職場の環境の改善も社会的問題になろうとしているとき,健康保険法の改悪政策が憶面もなく登場してくるというのが「国民の健康」にとって特に注意しなければならないものだと思いますので,そうした問題点に関連のあるケースについてとりあげてみたいと思います.
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