座談会
国保保健婦の仂き方(下)—公衆衛生の根本にさかのぼって
石垣 純二
,
大阪 多恵子
1
,
小林 富美栄
2
,
館林 宣夫
1
,
橋本 道夫
3
,
米山 静江
4
1厚生省医療課
2厚生省医事課
3厚生省保健所課
4千葉曝木更津市役所
pp.60-70
発行日 1960年2月10日
Published Date 1960/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202034
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□今のところは,医療給付の重みが保健婦より強いのだから
司会 橋本先生,その身分の統一はどうしても今晩伺わなければならぬ問題だと思つておつたのですが,その前に,こんなに切実的なる国保当局の要求があるとしますと,保健所をあげてこの要求を満たす方向に協力,指導して下さらなければいかぬわけですね.たとえば現在腸パラの予防注射というようなものを防疫課はやつていらつしやいますが,大体1県に10人か20人,ときには5〜6人しか患者の出ないような状況です.しかも全県民に注射をしろというようなことを強制して,市町村はそのために3カ月くらいの日時を費しているわけです.その注射の効果で10人,20人に減つたかというと,全然そうじやない.今の接種率では効果がそんなに出るはずはないというのです.それでは何のためにしているのだろうと思うようなことを公衆衛生局が平気で地方に流していらつしやる.これで切実的な国保当局の血の出るような金をもつと何とか節約できるように手伝えという声を生かし得るだろうか,どうだろうか.それはどうお考えですか.
橋本 私はやはり歴史的に変換の過程で,そう短かいことでは絶対できないと思いますね.これは卑怯なようかもしれませんけれども,絶対そういうことです.これを変えていくことは,保健所の立場から将来とも,あとで苦しい点が出るだろうと思います.
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