編集者から読者へ
1枚の葉書によせて
所沢 綾子
1
1編集部
pp.10
発行日 1959年11月10日
Published Date 1959/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201961
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青森県の花田みきさんから,保健婦雑誌に対する批判がおくられて来ました(本誌36頁).批判というものは,例えどんな悪口であろうと,実は編集者にとつて大変ありがたいものであります.新聞やラジオでないにしても,こういつた雑誌は一方交通になりがちなもので,編集意図の一方的押しつけに終り,読者の反応や感想はなかなか掴めないものです.そのたしかめは,決定的には販売部数の増減によつてしかできないものです.しかし,それでは,読者にこの雑誌がどういう受けとられ方をしているかということは,少しも解りません.機会あるごとに直接お話出来る人人にお伺いしたとしても,それは本当に限られたわずかの範囲を出ることができないのです.としたら,私達がこの雑誌の生きている確証をとらえることが出来るのは,皆様の"声"でしかないわけです.ことのついでに,葉書の終りにほんの一言,あの記事はよかつたとか,もの足らなかつたとか,書かれた一文が,どれだけ私達の心理に影響しているかを皆様方は御存じないでしよう.
先日1人の保健婦さんから,当社で発行している「保健婦手帳」が初版から何年か経ていて,データーが旧くなつており,内容も現在の要求に適応しないものになつており,買つてからがつかりしたという投書が舞い込みました.この葉書の効果は投書された御本人が想像できない程の効果をもたらしました.
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