口絵
農村を学ぶ—セイルカ短大専攻科生実習メモより
pp.2-5
発行日 1959年11月10日
Published Date 1959/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201958
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私たち,聖路加短期大学専攻科生(保健婦課程)は,4月20日に授業開始,7月の初めより一時授業を中断し,都市に於ける保健婦業務実習の為,中央保健所へ4週間,それに引つづいて農村に於ける保健婦業務実習の為に,山梨県へ出かけました.3週間の間,私たちの実習目標としては,①農山村の保健婦業務の実際を知ること,②農山村という社会の実際を見ること,③その農山村には,どんな健康,疾病,保健上の問題があるかということをじかに見て,私たちなりに対策を考えてみるということ等が挙げられておりました.農村保健所保健婦業務の実際を学ぶ為には,韮崎保健所へ,市町村保健婦と保健所保健婦との関係や連絡協調の実際を学ぶ為には,韮崎市役所を始め,管内の,或は長野県南佐久郡南牧村の開拓保健婦さんの業務を見学させて頂きました.韮崎市内の或旅館に数人宛で泊り込んでの実習も忘れがたい思い出です.更に,農村の乳幼児や婦人の健康問題を始め,病人をめぐる様々の問題を知る為に,八ツ岳山麓にある農村センターの中のセイルカ診療所にも駐在し部落への出張健診をしたり,専門的看護や保健指導の必要な脳卒中を始め慢性腎炎,ひどい気管支拡張症等の病人や乳児の家庭訪問を数多く行つて,都会では考えられない様々の場面に遭遇し,それらの問題について,見たり,聞いたり,考えたりする機会を持ちました.
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