映画紹介
キクとイサム
外輪 哲也
pp.80
発行日 1959年5月10日
Published Date 1959/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201866
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キクは12歳,村一番のおテンバで,身体は人一倍大きい.イサムは9歳,これも相当腕白で,暴れんぼう.しげ子ばあさんは,2人を米の粉をひいて,乳の時分から育てた.2人はニグロの混血児故に,いろいろ迫害される.子供仲間からはのけ者にされ,町を歩けば好奇の眼でじろじろ見られ,果ては一年一度の秋祭りに,見世物あつかいにされたりする.
或る秋晴れの日,小川で魚捕りをしていると,見知らぬ男が来て,イサムの写真を撮る.アメリカの家庭に養子縁組するためのものだ.やがて外務省から通達があつて,混血児ばかり集めた列車で出発する.「おら,行くのやンだ」とあばれるイサム.「やンだやンだ」とその列車を追うキク.
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