講座 主婦の自己認知
私達は自分をどんなものと思つているのか
鈴木 陽子
1
1法政大学心理学研究者集団
pp.18-22
発行日 1959年1月10日
Published Date 1959/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201787
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女性は変つた,だが内面は………
女性は変つた.それは誰しもが認めるところであろう.街頭を行く女性の服装に,ラジオ,テレビに出演する素人の女性たちに,討論会などで意見をのべる女性たちに,年々開かれるミス・ユニバースコンテストに,母親大会に,その他それぞれ質と内容を異にした種々な側面のどれを取り上げてみても女性が変つたという事を証明することが出来ることばかりだろう.
そうして変つた女性たちの1人である私自身,その変化に目を見張るばかりである.しかし,私達ははたして,そうした外的な変化のめまぐるしさに驚いていてよいのだろうか.私達は本当に必要な点で,必要なだけ変つているのだろうか.外的な面では大きく変化しているように見えながら,その底を流れている意識の面では,まだまだ昔ながらの古い意識が取りのこされているのではないだろうか,などと色々な疑問が生まれてくるのではないだろうか.
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