書評
—日野原 重明著—「看護必携」第2版
館林 宣夫
1
1厚生省保険局医療
pp.41
発行日 1957年10月1日
Published Date 1957/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201350
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この頃はどの看護の教科書を見ても内容が豊富になつてきた.我が国の看護の実態も医学や医術の進歩に相応して昔日の面影がない程になつてきたが,教科書の変遷もその事実を示す一つのシンボルのようである.然し新しい看護学の進歩を各分野で必要に即応して応用していくことは,分野が広くなつただけに大変なことになつて来た.そしてそれを一々教科書や参考書に求めることも職場では煩雑なことであろう.
本書はそのような際の利便の為に刊行されたということであるが,内容をみると概ねその意図を達しているようである.この種の書物の先駆に内科診療についての西川博士の名著があつて,それに比較されたのでは本書もたまらないであろう.が西川先生の著書には何十年の歴史があり,又分野は広いと云つても内科に重点がおかれている.本書のとり上げている分野は全診療科目にわたつており,改訂も今回が始めてであるので,多くを望むのは無理であろう.
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