編集者から読者へ
未熟児によせて
所沢 綾子
1
1編集部
pp.10
発行日 1958年10月10日
Published Date 1958/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201733
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御存知の通り,今東京でも地方でもあちこちで未熟児の講習会が開かれております.とにかく今までは育つ事のなかつた300匁程の小さな赤ちやんが,薬と技術と養護の発達によつて異常なく育つようになつたのですから大変すばらしい事だと思います.過日ある雑誌で「一握りの生命」と題して小児科のお医者さん方が座談会をしておられるのを拝見しましたが例え一握りの生命でも,生命あるものを大切にしたいという先生方の情熱に心うたれました.この未熟児対策に使われている国家の費用も大変なものだと聞きますし,保健婦,助産婦ともに大きな問題として勉強しております.この未熟児の生れる原因は,まだはつきりしていないそうですが,母体の疲労と栄養,中絶,梅毒の4つがその原因と見なされているといいます.とすれば未熟児対策もさることながら,母体の保健が終極の問題として考えられるわけです.
助産婦雑誌の編集会議の時でした.この妊婦の保健について非常に興味ある会話がかわされました.
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