講座
保健所活動におけるレントゲン障害
大和田 国夫
1
,
上田 貞二
1
1大阪市立大学医学部衞生学公衆衞生学教室
pp.21-25
発行日 1958年2月10日
Published Date 1958/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201571
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I.はじめに
かつてわが国の亡国病といわれた結核は近年その死亡率が甚しく減少しており誠に喜ばしい現象であるが,これは結核予防の強化が他の要因とともに大きな役割を演じているからである.しかしその反面,結核検診が多くなり,特に公衆衛生の第一線である保健所の活動は集団検診に忙殺される羽目となり,その結果保健婦レントゲン技師等の間接撮影に勤務するもののレントゲン線による障害が目立つて来た.
レントゲン障害に関しては古くからその報告例があつたが一般には大して意に介されなかつた.所が広島,長崎の原爆,又昭和25年以来アイソトープの輸入,或は原爆実験後の水,大気汚染等により,放射性物質による障害が注目される所となり,レントゲン障害も又職業性放射線障害として,レントゲン従業員の間に重要な問題として取上げるようになつて来た.
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