講座
よいおもちや
副島 ハマ
1
1厚生省母子福祉課
pp.49-52
発行日 1958年1月10日
Published Date 1958/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201563
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I.おもちやの必要性
1.遊びは子どもを成長させる
大人が1日の大半を仕事によつて費するのに対して子どもはその1日を殆んど遊び暮しています.毎日飽くことなく続けられる子どもの遊びは,大人の場合の仕事や余暇の楽しみに匹敵するものであつて,子どもの生活の中核を形成しているといえましよう.従つて,遊びは真剣そのものであり,子どもは周辺のことを全く忘れて没頭していまします.
こうした遊びは一面,彼等にとつて偉大な建設でもあり.また子どもや親が意図するしないとに拘らず,遊びは
1.自然に筋肉を働かせることによつて立派な身体を作り,健康を保ち,運動機能を発達させます.
2.新しい経験を得させ,注意を集中させ,判断力や工夫創造の心を養うことによつて思考力を増大させます.
3.他人と協同することやきまりを守ること,自分の責任を果すこと,自分の属しているグループのために,犠牲になることなどによつて社会性を養います.
4.いろいろな情緒のはけ口を与え,自信を持たせ,耐久力を養い,自制力を培うなど,精神衛生上有効な役割を果します.
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