口絵
老後の生活—伊豆山,壽楽荘を訪れて
pp.1-8
発行日 1957年10月10日
Published Date 1957/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201500
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熱海市,伊豆山の子恋の森,北は山,南は相模灘をのぞむ佳境の地,約四千坪の敷地の中に,モルタル作りのこじんまりとした独立家屋とアパート式建物の一群がある.ここが,老友会寿楽荘という老人の村てある.数十年を働いて来て,よわい60を過ぎた老後を冬暖かく,夏涼しい閑静な温泉地に,悠々自適の生活を送ろうという人々の集りである.
「子供に老後を見てもらう」という観念はここにはない.自分達の老後は,老人同志で助け合い,楽しみ合うという意識で徹底している.ここでは61才を只の1才という.60才から,新しい人生を始めよう—という意図である.まことに羨しい生活である.しかし,この生活を支えて行く上にも,先きだつものがあり—選ばれた人々の生活である事を知らされる.
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