映画
外国映画鑑賞の手びき
野口 久光
pp.54-56
発行日 1957年7月10日
Published Date 1957/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201453
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
★「鮮血の午後」TARDE DE TOROS
さきに好評を以て迎えられた「汚れなき悪戯」に次ぐ,同映画の監督ラディスラオ・バホダの1956年度の作品で,スペインが国技としてまたスポーツ以上の芸術としてほこる闘牛をテーマにした色彩大作である.
闘牛をドラマティックに扱った映画はかなりあるが,この映画はスペインの名闘牛士として三十年に亘る名声をもつドミンゴ・オルテガをはじめ,中堅の名手と云われるビエンベニーダ,若手のエンリッケ・ベラの三闘牛士が,画面に真の闘牛を見せることを目的とし,この点極めてユニークである.
物語は,出場する三人の闘牛士をめぐって,生活や,恋や,またその家族の幸福の運命を賭けた試合の成功如何にクライマックスがおかれる.
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.