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讀者からの手紙
最上 キクヱ
1
1東京都品川保健所
pp.5
発行日 1957年6月10日
Published Date 1957/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201428
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「公衆衛生は黄昏か?」を読んで
雑誌「公衆衛生」31年12号,32年1号の「公衆衛生は黄昏か?」というアンケートを読み,又保健婦雑誌4月号の編集室からのお便りを読み,少し雑感を述べて見たいと思います.
公衆衛生は終戦後の思想上の革命にともなつて急速な発達をみ,行政面からも,広く全国に700もの保健所をつくり,高度な組織形態が出来あがつた.しかしその組織の中に働いている人,又は組織を動かす人は,果して公衆衛生的感覚をもつていただろうか.戦前より予防医学に興味をもつていた僅かの学者,有識者は別として,日本の公衆衛生をどのようにすすめてゆかねばならないかと,じつくり考える暇さえなく10年を経たのではないだろうか.日本人は古来上司の命令は理屈なく従うが,そのものを深く吟味するというところは非常に欠けている.したがつて少しばかり行政整理にあえばがたがたと揺れるのを感ずる.つまり地についた公衆衛生の思想が余りにも稀薄すぎたところに大きな要因があるのではないだろうか.
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