2頁の知識
麻疹の合併症
今村 栄一
1
1国立東京第一病院小児科
pp.44-45
発行日 1957年3月10日
Published Date 1957/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201369
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麻疹(はしか)は冬から春にかけて流行します.非常に伝染力が強い病気なので,誰でも一度は罹るといつてよいでしよう.しかしありふれたものだからといつて油断はできません.体力がある子どもならば,普通の経過で済むことが多いのですが,麻疹に罹ると抵抗力が弱まるために,いろいろの合併症が現われたり,あるいは他の病気を増悪させたりします.麻疹については看護が大切ですが,また合併症について注意を与え,あるいは早く発見してやることも保健指導上重要なことがらです.
合併症のおこる時期:合併症は麻疹の経過中,いろいろの時期におこりますが,とくに発疹期に一番多くおこります.発疹がすつかり出て,そろそろ熱が下るだろうと思つている頃になつて,熱が高いままであったり,呼吸促迫がおこつたりというように,麻疹の経過として異常に思われることがみえたならば,一応合併症について注意しなければなりません.
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