講座
やけどの事故予防
平井 信義
1
1お茶の水大学
pp.25-29
発行日 1956年12月10日
Published Date 1956/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201310
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1.
身体の体質の概念があるように,性格にもそれぞれ特長がある.その中の小さい分類の一つに,事故性格と言われるものを考えている.既に匍行を開始した乳児の折から,それが認められることは,多くの子供をもつた親なら知つている.例えば,縁側に出すと,用心深く縁のへりにつかまつて,決して落ちない子供があるのに対し,一度落ちて痛い思いをしても,その後何回も繰返して落ちる.そして懲りない.
幼児の中にも,そういう子供がいる.道を横切るのにも向うみずに進んでいく.慎重に前後左右を見廻し,絶対に安全でないと横断しない子供とは,非常に対照的である.
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