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公衆衛生の動き
pp.124-125
発行日 1956年5月10日
Published Date 1956/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201191
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☆お醤油による砒素中毒
先ごろ,山口県宇部市で変な病気が発生した.主訴は,顔のむくみと食欲不振である.届出られた患者数は,390名に達し,微熱があり,また頭痛やのどの痛みがあつた.県の衛生部では,感冒様の伝染病として,調査を開始したが,疫学調査の結果,食中毒が疑われ原因食品の推理及び検査をやり,遂にその原因は,アミノ酸醤油による砒素中毒であることをつきとめた.
現在,醤油生産量の約3割から4割は,アミノ酸醤油であることを思えば,これは重大な問題であり,厚生省公衆衛生局長は,全国の各都道府県知事あてに,以上の状況を通知し,注意を換起した.
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