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世界の波
末松 満
pp.48-49
発行日 1956年1月10日
Published Date 1956/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201100
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産児制限だ,妊娠中絶だ,といいながらも日本の人口はここ5年間に600万人以上も増えている.昭和22年に154万,23年に173万,24年に175万も増えたのにくらべると,昭和25年以来はやや増えかたは減つているが,それでも毎年100万以上である.この調子で進めば,昭和44年ごろには同胞1億を突破する勘定である.
ただし奇妙に感ぜられることは,日本国内で人口の減つている地方があることだ,この5年間に長野県では39,562人,滋賀県では7,457人,山梨県では4,339人その他,栃木,山形,香川,徳島各県で,それぞれ僅かながらも減少を示した.これら7県は概して山国であり,耕作田畑が窮くつなので,農村の次男3男は故郷に容れられず出奔したものらしい.もとより都会へ出かけて職探しである.
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