特集 寒さ
寒さと生物
朝比奈 英三
1
1北海道大学低温科学研究所
pp.73-75
発行日 1958年2月15日
Published Date 1958/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910547
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生物といつてもピンからキリまであるので,それが寒さに対してあらわす反応も実にまちまちであります。ここでは動物の最高等な群と,バクテリヤ等を含む最下等な群は一応除外してお話ししたいと思います。というのはこの前者は自分の体温を一定に保つために各種のすぐれた手段を盡しており,それがうまくゆかないときは,実際に体温がひどく下がる前に既に大きな害を受けるものが多く,また後者は甚だしい低位にさらされても,ほとんど影響を受けないものが少くないからであります。
これからのお話はその体温がいつも以前の注意につれて変化している一見殆んど力のない生物たちが,寒さに対してそのような様式(ヤリカタ)で我が身を守つているかという解説であります。
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