--------------------
世界の波
末松 満
pp.65-66
発行日 1955年3月10日
Published Date 1955/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200924
- 有料閲覧
- 文献概要
台湾からはるか北西,むしろ上海に近い支那大陸沖合に,大陳島という小島がある.ここにレーダー(電波探知機)を据えつけて上海方面をにらむと,中共軍の飛行機が飛び立つ有樣が手にとるように判るというので,蒋介石の軍隊1万数千が屯ろしていた.
ところが今年1月18日,この大陳島から僅か13キロ離れた一江山島へ,突如中共軍が上陸した.守備の蒋介石軍2,000名ばかりだつたが,アメリカ海空軍は応援もせず見殺しにしてしまつた.それどころか,「次は大陳島が占領されるだろう,やられぬ前に引揚げたらどうだ」と蒋介石を説き伏せて,2月中旬,アメリカ第7艦隊で蒋軍ならびに住民,合せて3万人あまりを引揚げ,大陳島を無人島にしたのである.
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.