講座
兒童福祉と助産婦
岡 英彦
pp.6-10
発行日 1952年12月1日
Published Date 1952/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200222
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「すべての兒童は,心身ともに健やかにうまれ,育てられその生活を保障される。」(兒童憲章)これが兒童福祉の原理であつて,兒童福祉法も,この精神に則つて制定せられて居り,この目的を達成する基本的事項として母子衛生が法律のなかに制定せられている。
母子衛生という言葉から受ける感じは,母の保健問題と,子供のそれとの総和,即ち産婦人科学的なものプラス小兒科学的なもの,というように受けとられがちであるが,私共はそうは考えていないのであつて,この両者が綜合調和されたもの,難かしく言えば,この両者が止揚された存在というように考えている。そして,母子衛生は,乳幼兒の健康を増進し,その死亡を減少させることが,その発端であり,また終結である,というように考えている。それは兒童福祉法は兒童の福祉を中心に物を考えているからである。
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