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公衆衛生の動き
pp.44-45
発行日 1954年12月10日
Published Date 1954/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200864
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(1)
去る10月2,3,4の3日間にわたつて,日本大医学部教授野辺地慶三博士が会長となつて,第9回日本公衆衞生学会総会が開かれた.この間約3000人の公衆衞生関係者が集り,発表された演題410について活溌な意見の交換が行われた.
特に第2日午後1時20分より野辺地学会長が議長となつて総会を開き「保健所を名実共に地方における公衆衞生のセンターならしめるため,速みやかに整備拡充を計るべし」という決議を行い,学問と行政との一体化を主唱したことは注目に値いするものであろう.またこの学会では,今迄の学会樣式を変更し,第1日目,第3日目の午後は一般発表を中止して同一課題のもとにシンポジウムのみを行い,当会を挙げて問題の解決に努めると共に,現在各方面から注目をあびている原爆問題について第2日目は,「放射線障害と公衆衞生対策」との演題のもとに東京大学中泉教授の特別講演を行い,公衆衛生の新な方面の開拓に努める等これまでの学会にはみられない活溌性をおびていた.
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