2頁の知識
ビタミンB2群
島薗 順雄
1
1東京大学
pp.20-21
発行日 1954年8月10日
Published Date 1954/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200783
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ビタミンBは,酵母,糠,肝臓などに比較約濃厚に含まれる栄養上不可欠な水溶性の因子で,発見当時は一種の物質と考えられたのであるが,やがて二つの因子に分けられた.即ち抗神経炎因子(脚気予防因子)と抗皮膚炎性,成長促進因子とである.前各がビタミンB1と呼ばれ後者がビタミンB2と呼ばれた.B1は加熱に対し不安定,B2は加熱に対し安定である.ところが更にこのB2が単一のものでないことがわかつて来たので,まとめてB2群,B2複合体,或いはB2グループなどと呼ばれるようになつたのである.B2群のビタミンの知識は最近非常に発展したが,それは微生物の増殖因子の研究に負うところが多い.たとえば葉酸やビタミンB12など抗貧血性ビタミンの発見.それから今一つ最近の発展は,B2群ビタミンの作用機構が生化学的に明らかにされっつあることである.ここにB2群に属するビタミンを列挙すると,次の通りである.
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