Japanese
English
綜説
ビタミンB2複合体と視器
Vitamin B2-complex and the eye
入野田 公穂
1
Kimiho Irinoda
1
1弘前大学
1Dept. of Ophth., School of Medicine, Hirosaki University.
pp.557-565
発行日 1958年4月15日
Published Date 1958/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206321
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1.ビタミンB2複合体の概念
ビタミンB2には広義のビタミンB2複合体即ちビタミンB2群を指す場合と狭義のリボフラビン(ラクトフラビン)のみを指す場合があり,一般に単にビタミンB2と謂う場合には狭義のリボフラピンのことであり,広義の場合にはビタミンB2複合体と云つて区別をしている。此のビタミンB2複合体はBicknell及びPrescott1)両氏によればリボフラビン,ビタミンB6(ピリドキシン),ニコチン酸,コリン,パントテン酸,葉酸,パラアミノ安息香酸,イノシトール,ビオチンの他B5,M,H,U,L1,L2,B10,B11,B12,アデニール酸等多岐に亘つて居る。これらのビタミンは最近多くの学者により研究されて著しく解明されたとはいへ,尚相当未知の因子があるものと考えられる。ビタミンB2群の個々のものの欠乏に因り人間に対して欠乏症状を来す場合,又ある動物に対しては欠乏症状を惹起するが他の動物,又は人間に対しては欠乏症状を来さぬものもある。又他方これ等ビタミンを殆ど摂取しなくとも動物体内,又は人間の体内の細菌が合成する為に欠乏症状の顕われ難い場合もあり得る。それ故各ビタミンの必需性,特に摂取所要量は動物によつて違う。何れにしてもこのビタミンB2複合体は人間では勿論,動物に於ても各種各様に複雑な酵素又は補酵素作用を営んでいる。
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