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公衆衛生の動き
pp.54-56
発行日 1953年9月10日
Published Date 1953/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200598
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6月下旬北九州地方を襲つた豪雨によつて,筑後川,遠賀川,白川,大分川など九州の主要河川はすべて氾乱し,未曾有の大災害をまき起した.この結果,福岡県,大分県,熊本県,佐賀県長崎県,山口県の6県に災害救助法が発動された.今回の災害では死者と行方不明とで1,166人,床上浸水家屋187,937戸橋流失2,486という数字にあらわれたものをみてもその被害の大きさに驚嘆するが,特にこの度の水害の特徴は被害地域の宏大なこと,場所によつて被害を受けた日時に相当の差があつたこと,河川によつて被害の状況がまちまちであつたことなどであろう.
筑後川,遠賀川などのように氾乱の激しい所,白川のように阿蘇山の火山灰を押し流し,きわめて大きな流速で熊本を襲つた所,門司のように何百ヵ所という山崩れで多くの人命を失つた所と被害の形が千差万別である.
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