--------------------
早産未熟兒の統計観察
中村 みよし
pp.64-68
発行日 1954年10月1日
Published Date 1954/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200719
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はしがき
近年妊婦指導の発達と早産未熟兒の,養護,治療の進歩とによりその死亡率は漸次低下の一途をたどつております.私共の逓信病院では昭和25年より新生兒室が設けられ新生兒室規定に従い外来者は勿論係以外の入室を禁じて感染の予防,保温,看護につとめております.治療におきましては,クロヽマイセチン,オーレオマイシン,テラマイシン,ペニシリン,スルフアミン剤等の諸種抗生物質療法及び,メガビオン等のホルモン療法,骨髄輸血,スプラーゼを用いて点滴注射による水分補給等が行われており,又栄養法といたしましては強制栄養が行われる樣になりました.
強制栄養法にあっては熟練した助産婦が細心の注意を払つて行つております.これにより哺乳困難な例でも早産未熟兒の栄養上必要なカロリー及び水分を与えることが可能となりました.早産未熟の入浴はオイルバスに変更して体力の消粍を防いでいます.他方外来診療におきましては医師及び助産婦が妊娠指導を定期的に行つて早産,妊娠中毒症の予防につとめております.この樣にして死亡率も漸次低下の傾向にありますが,新生兒兇及び早産未熟兒の死亡率を出来るだけ低下させることが医師及び私たち助産婦に課せられた大きな使命であると思います.
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.