講座
テンション・サーヴェーの話
尾高 朝雄
1
1東京大学法学部
pp.18-21
発行日 1953年4月10日
Published Date 1953/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200487
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
皆さんは,国際連合の専門機関の一つにユネスコ(Unesco)というものがあることを御存じでしょう.ユネスコは,第二次世界大戦が終つた直後,人間の歴史上に例のないような新らしい方法で,戦争を防ぎ,平和を築き上げて行くために作られた,大きな国際機構であります.第一次世界大戦が終つたあとでも,戦争をくりかえさないために,国際連盟というものができ,世界各国を代表する政治家が集つて,国と国との争いを平和な話し合いで解決するように努めましたが,これは結局失敗に終りました.そこで,平和というものは,政治家の間の話し合いだけでは守り得ないから,教育とか科学とう文化とかいうような精神的な方面で,世界中の人々が平和の建設に協力できる組織を作ろうということになり,その結果としてユネスコができ上つたのであります.普通にはユネスコでとおつていますが,訳せば,国際連合教育科学文化機構ということになります.日木も一昨年これに加盟し,いまでは加盟国の総数が68ヵ国に達しています.
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.