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如何なる星の下に—エリザベス・サンダース・ホームを訪う
pp.41-44
発行日 1953年3月10日
Published Date 1953/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200476
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元フランス大使夫人沢田美喜さんがその実家である大磯の岩崎別荘内に,23年の2月,2人の混血児を引取つて養育を始めたのが,現在の,孤児院エリザベス・サンダース・ホームである.今では130名の混血児が收容され,彼等が自分の運命を知つても動じないだけの修養が出来てから社会に出してやりたいという夫人の理想が著々と効果をあげている.
1月下旬の或る朝,このエリザベス・サンダース・ホームを訪ねて大磯の駅に降り立つと,附近にはもう梅が咲いていた.駅前の広場からすぐサンダース・ホームの門がつゞいてごく短いみちのりであつたが,玄関に到るまでに長い異樣なトンネルがあつて歩く度に無気味な音がした.なお念入りにそのトンネルの入口には「教育関係者及び当ホーム関係者以外の立入を堅くお断り致します云々…」の白い立札がしてある.
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