關西版特集
インタービイウ 課長時代より幸福—千里山の保良女史を訪う
pp.23-24
発行日 1950年11月15日
Published Date 1950/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906743
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關西版の特集を企畫して大阪を訪れた私の胸奧に象嵌されていた1人の映像—それは看護課長のバトンを金子光さんにゆずつて大阪に歸つた保良せき女史の面影であつた。引退の原因と傳えられる病氣もすつかりいえて八面六臂の活躍を續けておられるとの噂を聞いていただけに,關西特集の座談會席上で是非おめにかゝりたいと思つていたが豫定した期日の變更などで,座談會にはおいで願えなかつた。「引退」—いや,この言葉は當つていない。ホラではなく本當に,そんな言葉はけしとばしてしまつて關西の看護界に隱然たる,時に公然たる發言力を持つ保良女史に會うべく,あわただしいスケジユールの中をさいて歸京寸前,宵の一ときを突然千里山の招かれざる客となつた。電話が故障で通じないというので,失禮な夜の訪問をあえてする。
千里幼稚園—都塵をさけた一角に正門の標記が見られる。保良邸は廣いこの幼稚園の敷地の中にある。門内に入り右に運動場を見ながらだらだら坂を上るともう閉め切つた幼稚園舎からやわらかい夜の灯がもれ,ピアノの音がする。犬がほえる。
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