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保健婦事業の行方—四国地区四県
pp.47-51
発行日 1952年10月10日
Published Date 1952/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200383
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保健所の保健婦事業の運営に四国地区四県が大刷新を試みてから4年近くになります。この原理は保健所事業としても保健婦事業としても至極当然のことで,誰でもうなづけることなのです。それは管内のすべての地区に保健所の仕事をゆきわたらせるということです。即ち保健所に近いところだけが保健所の恩惠をうけるのでなく,遠い村でも同樣に保健所のサービスをうけられるようにするということなのです。ところが,日本で保健所が発足してから動いて来た道は,この当然のことを忘れられたような感がありました。先ず香川の琴平保健所が23年の11月に保健所の保健婦を保健婦の居ない村に駐在させて,それぞれの担当地区の保健指導を合理的にするために保健所から医師が出張してクリニツクをひらくという方法を実行いたしました。稍おくれして高知でもはじめました。このことは非常にめづらしいことのように思われたようです,これが導火線となつて厚生省でもこの方法について検討をすることになり,各府県でも熱心なところは実地見聞に行つたりして研究をはじめ,実際に試みるところが多くなりました。しかし人間の頭の切替ということはなかなかむずかしいものらしく,府県によつてはああでもないこうでもないという異論続出でいまだに何の研究もしていないというところもあるらしい。
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