講座
近視について
大塚 任
1
1東京医科歯科大学
pp.6-9
発行日 1952年10月10日
Published Date 1952/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200370
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正規では遠方かち来る光が眼の角膜や水晶体等で屈折されて,恰度網膜で像を結ぶようになつて居るが,近視では遠方から来た光が網膜の前方の硝子体の中で像を結ぶため,綱膜ではピントがぼけて,そのため眼は外の物をはつきり見ることが出来ない。軽い近視では眼鏡をかけることにより遠近共に不自由なく見えるが,その度が進んでくると眼底に変化が起り,視力が衰え,眼鏡をかけても正常の視力に達せず又時には網膜の出血や剥離を起して失明することも稀でない。しかし普通の近視は大抵10才前後に始まつて,17-18才頃最も強く進み,25-26才頃で停止するものである。
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