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ブックエンド
石垣 純二
pp.59-61
発行日 1952年8月10日
Published Date 1952/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200345
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スウエーデンの盛夏には首相も職工も教員も,みんな田舍の別莊へ避暑に行つてしまうと聞きました。貧富の隔りの少い,生活水準の高い国らしい話で羨しいかぎりです。ほとんどすべての国民が別莊はおろか,自前の家さえ持たない日本では,夏ともなれば「夕涼みよくぞ男に生れける」式に納涼を試みるか,でなければ楽しい読書の世界に逃げこんで,壺中の別天地を楽しむか位のことになるでしよう。ことに双肌ぬぎにもなれない女性にとつてはねえ………。
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