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公衆衛生の動き
後藤 正宏
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1厚生省公衆衞生局防疫課
pp.57-58
発行日 1952年8月10日
Published Date 1952/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200344
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受胎調節及実施要領案まとまる
昨秋閣議決定をみた受胎調節問題について厚生省では種々その実施要領を検討中であつたが,今度ようやく受胎調節普及実施要領の一応の案がまとまつた。今迄これの決定が遅れたのは今春国会を通過決定をみた優生保護法の一部改正との関係にもよるが実施の方法が難しいことも一因となつている。即ち,この仕事は殆んどすべての面が衞生教育であり,しかも対象が盛んであるとはいえ性に関する問題であるところから民衆の表面だつた支持を得ることが容易ではない。多くの人々が人口問題についても充分認識しており,また人工妊娠中絶を行うよりも務めて受胎調節を行う方がよいこともよく知つておりながら容易に実施し得ない問題である。特に之を生活程度の低い人人にまで浸透させることは極めて難事業で一通りや二通りの努力では一応の目的にも達しないであろう。今度の案では指導者として医節と共に特に指定をうけた助産婦,保健婦,看護婦が当り,之を推進する機関としては優生保護相談所と保健所が中心となることになつている。
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