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石垣 純二
pp.42-44
発行日 1952年6月10日
Published Date 1952/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200299
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「身にしみる風や障子に指のあと」この詩はラフカデイオ・ハーン(小泉八雲)が「小さな詩」という題で外国に紹介した俳句です,よみ手はわかりません。しかし子を喪つた母の嘆きをこの十七字以上にするどく,悲しく詠つた詩が世界中のどこにあるでしよう‘文字というものは,かくも不思議な生物であります。談書のたのしさは,その生命の躍動にじかにふれうる事です。そしてあまりにもみごとな文章にふれると,思わず溜息がでるものですね。
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