特集 結核患者管理はいかされているか
結核患者管理をいかすために
御園生 圭輔
1
1結核予防会保生園
pp.11-15
発行日 1962年5月10日
Published Date 1962/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202563
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I.結核患者管理の行なわれた背景
昭和26年新結核予防法の公布,30年32年の一部改正により,全国民を対象とした健康診断,結核患者の届出と登録の制度,結核医療費の公費負担制度などが法制化され,わが国の結核対策も新しい時代を迎えた.
以来,第一線の保健所を中心とする関係各方面の努力により結核予防の成果は着々と上がりつつあるようにみえたが,まだまだ満足すべきものではなかつた.たとえば,結核実態調査の成績からみても要医療とされたものの一年間の受療率はあまりにも低かつた.結核医療費の公費負担の承認と,実際の請求を比べてみると十分な治療が継続されているとはいえず,ことに住民検診で発見された新要医療者について,この医療中止者や,未受療者が目立つていた.
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