- 文献概要
一年の計は元旦にあるといゝますから,人生の計は誕生にあるかも知れません。私共が生れて來たのは,決して偶然でもなく,勝手氣儘に出來たものでもなく,一つ一つが目的をもつて神の攝理を成就せんがために生れたのであるときかされた事がありました。全能の神は天地を創造する時或一つの計畫のもとに人間を造り,雨を降らせ,陽を照らしていられるのだと云います。
企畫立案ということは,それ自身如何にもかたく,面倒な事のようなひびきをもちますが,人の生活のどの面に無計畫でプラスになつている面があるでしようか? 一家の主婦は,一定の經費の範囲内で家計のきりもりをする場合にも,ゆきあたりばつたりの使い方をしては暮すことは困難なので,或程度の計畫はたてゝあるはずと思います。いわゆる貧乏世帶をきりまわす事の上手な人は,生活設計の上手な人で,言いかえれば計畫のたて方とその實行の上手な人の事です。個人個人の生活の場合も同じことがいえるので,自分一人の生活を計畫的にするかしないかでは生活の興味も妙味も大いに左右されて來ます。ほしいもの一つ一つを備えていくにしても,住みよい生活環境を整えていくにしても,一度には出來ないので,毎月の生活の中から豫め節約をしてその分を生み出すか,他に適當な方法で收入を得るかという事になるのですが,それも又非常にたのしみになるのです。
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