ルポルタージュ
少年期を護るもの—関東醫療少年院
耕 眞純
pp.53-60
発行日 1951年6月10日
Published Date 1951/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200101
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それは遠く丹澤の連峰がかすんでいるむさし野の朝でした。國分寺驛前から道連れになつた當直明けのお巡りさんが教えて下さつた「關東醫療少年院」という指標杭の立つている道角を曲ると,畠の中に白い柵と煙の出ている煙突が目立つ新しい水色の建物が直ぐ見えました。近づくに從つて白いさくには金網が張つてあることが分り「あゝ,矢張り」と一寸重い氣分になつて少年院の玄關に立ちました。
この少年院は身體又は精神に障碍があつて醫療を必要と認められた犯罪少年を收容して治療と共に病症に適合した矯正教育を施す爲に昨年の1月から事業を開始された極く新らしいしかも先進國アメリカやイギリスにも未だ例のない施設であります。
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