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醫藥分業と國民醫療
渡邊 定
1
1厚生省衞生統計課
pp.83-87
発行日 1950年2月15日
Published Date 1950/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200580
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わが國の醫藥分業は明治7年「醫制」が制定せられ,ドイツにならつて醫藥分業の方向が規定されたが,藥劑師の教育程度,人員數の不足の實情から今日まで暫定的の經過法という見方で醫師の調劑權を認めてない。昭和23年7月制定の現在の藥事法には,以前は附則にあつた醫師の調劑權を本則中に但し書きとして「醫師は自己の處方箋により自ら調劑し又は藥劑師に調劑させる場合はこの限りではない」と規定している。この動向に對して,藥劑師の數10年に亘る強制醫藥分業制度の制定に對する建議や請願があり,醫師會と烈しい論爭が繰返されて今日に及んでいる次第である。然るに昨年7月來朝の米國藥劑師協會使節團は,數週間に亘る關係各方面の調査の後に日本の藥劑師方面に關する報告書及び45ケ條に亘る勸告書が作製され,これが總司令部のサムス准將から9月13日に厚生省及び關係團體代表者に正式に手交されたのである。その内容の詳細については,こゝに記述する事を省くが,醫藥分業の實現への努力,教育の向上,藥劑師政府諸機關における藥事活動への注意,模範工場の設置,大學の教程及び經理問題に對する問題が取扱れている。勸告書中,醫藥分業に關係のある條項を擧げれば次の如くである。
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