特集 学校保健—心の健康づくりを中心に
医療少年院を通してみた非行少年の生活について
栗原 徹郎
1
Tetsuro KURIHARA
1
1関東医療少年院
pp.726-730
発行日 1985年11月15日
Published Date 1985/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207138
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■はじめに
戦後の少年非行の推移は,昭和26年をピークとする第一波,39年をピークとする第二波,52年以降に増加しつつある第三波に分けられる.特に53年以降の増加は顕著で,58年の少年刑法犯検挙人員は,31万7,404人(交通業務過失を除くと26万1,634人)となり,少年人口1,000人に対する比率が17.1と高率であり,全刑法犯に占める少年の割合は約31%に及んでいる.このように多くの非行少年のうち,58年には約2.2%に当たる5,722人が家庭裁判所の審判決定によって,法務省所管の少年院に入院している.これらの非行少年の中には有病少年もおり,その治療を行いながら矯正教育を行う医療少年院がある.
以下,最近の医療少年院の実情とそれを通してみた非行少年の生活について述べてみたい.
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